作品とその舞台



湖水地方
サトクリフ作「第九軍団の鷲」のマーカスとエスカの活躍の舞台ハドリアヌスの城壁は湖水地方の北を東西に横断しています。アーサー・ランサムの「ツバメ号とアマゾン号」他の舞台となった湖コニストンウォーター、そのほとりにある文明批評家ジョン・ラスキンの記念館、ベアトリクス・ポターの記念館のあるホークスヘッド、ポターの住んでいたニアソーリーのヒルトップ農場、その他ピーターラビットなど、彼女の作品の舞台となったところが随所にみられます。一番大きい湖ウィンダミアのほとりには、物語の中でモデルとなった古い蒸気船やボートを展示した蒸気船博物館、ちょっと離れたグラスミアには詩人ワーズワースが新婚時代を過ごした家と記念館があります。ケジックが臨む湖ダーウェントウォーター周辺にもニューランズ教会、キャットベルズの山、セント・ハーバート島など「ティギーおばさん」や「リスのナトキン」などのモデルとなる風景でいっぱいです。フットパスも整備されており、植物を愛でながら野山、湖畔を歩くのは命洗われる思いです。またケジックの東の郊外には、その起源、用途など今なお多くの謎を残す有史前の遺跡カースルリッグ・ストーンサークルが見られます。

ダービーシャー
チャッツワース・ハウスは作品とは直接関係はありませんが、スコットランドのメアリー女王が数回にわたって幽閉された場所として知られています。現在デヴォンシャー公爵の所有で、一部は博物館としてその広大な庭園とともに公開されています。その南デシックにあるアントニー・バビントンのマナーファームは、隣り合った教会とともに、アトリー作「時の旅人」中サッカーズの農場のモデルとなった場所で、今でも17世紀当時の料理用の炉と大きな煙突があり、物語の場面を彷彿とさせます。現在グルーム夫妻が小さなB&Bを経営しながら住んでいます。その東数キロにあるウィングフィールド・マナーは、同じく「時の旅人」の中でメアリー女王が幽閉され、脱出を図る場所ですが、実際に幽閉されたところでもあります。現在は廃墟としてイングリッシュ・ヘリティッジの管理下にあります。

ケンブリッジ周辺
ルーシー・ボストンのシリーズ「グリーンノウ物語」の舞台となったマナーハウスはケンブリッジの西方20kmヘミングフォード・グレイにあり、現在ご子息夫人ダイアナさんが住み管理しています。前庭にはトーピアリー(樹木を造形的に刈り込むアート)とルーシーの代からのバラの数々、裏庭には物語に登場するイチイ、銅ブナなどの木が鬱蒼と茂っています。ケンブリッジの南郊グレイト・シェルフォードにあるローズ家の館はフィリパ・ピアス作「トムは真夜中の庭で」のモデルです。トムがタイムスリップする庭の中にはイチイの木、日時計のある塀、潜り戸などがあり、美しい花を愛でながらの訪問はアッという間に過ぎてしまいます。そばをケム川が流れ、隣り合った建物はかつての水車小屋でフィリパのお父さんの代からの所有でしたが、現在ローズさん一家が住んでいます。

コッツウォルズ地方
ブリッグズの作品「妖精ディックのたたかい」に関わる場所はウィドフォードを中心に、スインブルック、シプトン、テイントンなど広くコッツウォルズ一帯に訪ねることができますが、その他にもこの地方は伝説や民話に満ちた美しい村がたくさんあります。またバイブリーは、工芸家ウィリアム・モリスが絶賛した美しい村ですが、今も17世紀羊毛の織物業で栄えた当時の家並やマナーハウスをそのまま保っています。となり村コーン・セント・オールドウィンからバイブリーまでのフットパスは清流コーン川に付きつ離れつ羊の放牧地などを通る50分の道のりです。

サセックス
サトクリフ作「運命の騎士」の物語が始まるのはアランデル城、現在もノーフォーク公爵一家が居住していますが博物館としても一般に公開されています。物語の中でランダルの成長の舞台となるブランバーのお城はその東10数キロにありますが、現在はその廃墟のみがわずかに昔を物語っています。その他このサウス・ダウンズウェーと呼ばれる丘陵地帯にはファージョン作「マーティン・ピピン」の中の「王様の納屋」の舞台となるチャンクトンベリー・リング、ワシントン村、ステイニング、「ウィルミントンの背高男」の巨大な姿を残すウィルミントン村の山腹、7人姉妹がウィルキンを葬ったあと姿を隠したセブンシスターズの岸壁、「エルシー・ピドックの縄跳び」が今も続くケイバーン山、彼女の生まれ育った村グラインドなどがあり、歩くにも気持ちの良いところです。



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